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Incident何が起こったか?
エンブレル皮下注 25 mg シリンジ 0.5 mL が処方されたが、使用日の指示が間違っていた。
Prescription処方内容は?
<処方1> 60 歳代の女性。病院の整形外科。オーダ/印字出力。
エンブレル皮下注 25 mg シリンジ 0.5 mL |
3本 | 1 日 1 回 |
用法口授 | 3 回分 |
---|---|---|---|---|
7/31、8/1、8/5 に使用 |
図.「エンブレル皮下注 25 mg シリンジ 0.5 mL」の製剤。
<効能効果>
●エンブレル皮下注 25 mg シリンジ 0.5 mL・50 mg シリンジ 1.0 mL
(エタネルセプト)
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
Historyどのような経緯で起こったか?
患者はリウマチを患っており、その治療を目的として整形外科よりエンブレル皮下注 25 mg シリンジ 0.5 mL が処方された。調剤した薬剤師は処方内容に特に疑問を抱かず、そのまま調剤し、鑑査へまわしてしまった。
鑑査した薬剤師が使用日の指定が週 2 回ではなく週 3 回となっていることに気づいた。更に、7/31、8/1 は連日の投与となり問題である。医師へ疑義照会した結果、医師の処方ミスだったことが判明し、使用日は「7/31(火)、8/1(水)、8/5(日)」から「7/31(火)、8/3(金)、8/7(火)」に変更となった。
○エンブレルの用法用量
・本剤を、通常、成人にはエタネルセプト(遺伝子組換え)として 10〜25 mg を 1 日 1 回、週に 2 回、又は 25〜50 mg を 1 日 1 回、週に 1回、皮下注射する。
・本剤を週に 2 回投与する場合は、投与間隔を 3〜4 日間隔とすること。
Worst scenario最悪の事態
過量投与で、重大な副作用が惹起する。
Assessment問題点の解析は? 何が問題か?
調剤した薬剤師は、使用日の指定が用法用量の規定にあっているか、確認していなかった。エンブレルの処方頻度が少なく、調剤した薬剤師の知識が曖昧であった。
以前に当該患者へエンブレル皮下注が処方された際は、医師は処方箋に「火曜日及び金曜日」と曜日を指定していたが、今回は日付のみを指定していた。今回は医師も久しぶりの処方であったため、指定日を勘違いしてしまっていた。
Plan問題点回避の計画は? 確認ポイントは?
週○回など使用の指定日がある薬剤については、その使い方を熟知しておき、使用に疑問がある場合は必ず医師に確認する。間違いを発見しやすいように、日付だけでなく曜日も処方箋に記載するように医療機関に依頼する。
これ以外に、漸減・漸増などのために日付を指定している処方に関しても注意を払い、服用期間に空いてしまったり、重なったりしないようにする必要がある。
Watchword標語は?
・エンブレル注は週に 2 回投与! 投与間隔を 3〜4 日!
・処方箋には「○月○日(○曜日)、○月○日(○曜日)、○月○日(○曜日)」と記載するように依頼!
Special instruction特記事項は?
本剤を週 2 回投与、週 1 回投与したときの体内動態は検討されているが、週 3 回投与については報告されていない。
●週 2 回投与
日本人関節リウマチ患者 99 例に、エタネルセプト 10 mg 又は 25 mg を 1 週間に 2 回、12 週間皮下投与したときの血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)は、投与開始 1 ヵ月後には定常状態に達し、以後ほぼ一定の濃度を維持していた。また、52 週間投与したときの血清中エタネルセプト濃度も 12 週間投与時と同様であり、長期投与による薬物動態への影響はみられなかった。
●週 1 回投与
日本人関節リウマチ患者に 50 mg のエタネルセプトを 1 週間に 1 回皮下投与したときのエタネルセプトの曝露量は、25 mg のエタネルセプトを 1 週間に 2 回皮下投与したときと同様であり、また、25 mg のエタネルセプトを 1 週間に 1 回皮下投与したときのエタネルセプトの曝露量は、10 mg のエタネルセプトを 1 週間に 2 回皮下投与したときとほぼ同様であった。