薬学生・薬剤師向け 就活サイト

メディセレ薬局 現場からの声

大阪病診薬連携アライアンス

 皆さん、こんにちは。メディセレ薬局は、この度「大阪病診薬連携アライアンス」に参加しました。大阪病診薬連携アライアンス(以下、アライアンス)って何?って方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、アライアンスに参加することによって可能になる疑義照会簡素化プロトコルからお話をしたいと思います。

 薬局では処方箋に記載してある内容から変更をして調剤をする場合、原則として処方をした医師に対して「疑義照会」を行わなければなりません。この疑義照会には、「薬局で聞き取った患者さんの状態から判断して処方されている薬物が最適ではない」という薬学的判断に基づく場合もあれば、単純に、「飲み忘れがありお薬がたくさん余っているからちょっと減らしたい」という場合や、「商品名は異なるが中身は同じお薬で調剤をしたい(例:アムロジンとノルバスク)」という場合など様々な理由があります。中には非常に形式的なものも含まれており、その形式的なやり取りのために、薬局や処方医の時間と手間を必要とし、患者さんを長くお待たせしてしまうことも少なくありません。もちろん、処方医の判断が必要な変更は沢山あります。しかし、「まったく同じ成分が同じ量入った商品名の違う薬で代わりに調剤してもいいですか?」という、何かしらの特別の理由がない限り「いいよ!」という返事が返ってくることが自明であるやり取りに、時には数時間かかることもあります。この問題を解決するための取り組みが「疑義照会簡素化プロトコル」です。詳細な説明は省略しますが「あらかじめ取り決めを行った範囲において薬局の薬剤師の判断で変更を行い、事後報告でよい」とするものです。この取り決めはほとんどの場合、病院(疑義照会に時間がかかる地域の中核となる大きな病院であることが多いです)と各薬局が個別に取り決めを結ぶ「個対個」の申し合わせでした。

 今回メディセレ薬局が参加したアライアンスはこの「個対個」を大きく超えて、大阪市全域、さらには大阪府全域を視野に入れた地域全体で簡素化プロトコルを運用する取り組みです。アライアンスには、2023年7月時点で、大阪赤十字病院、大阪警察病院、第二大阪警察病院、四天王寺病院、早石病院、北野病院、住友病院、東住吉森本病院、JCHO大阪病院、淀川キリスト病院が加盟しています。薬局はアライアンスに参加することで、すべての加盟病院に疑義照会簡素化プロトコルに基づいた運用が可能になります。更には、大阪市北区と天王寺区の医師会加入診療所が加盟を検討中であり、実現した際には病院・診療所・薬局の連携の在り方を変える取り組みとなることでしょう。まさに、Alliance(同盟)の名にふさわしい取り組みだとわくわくします。

 さて、このアライアンスですが、現在のところ大阪市北区、天王寺区が中心となっており、メディセレ薬局がある都島区とは関わりが薄いように感じるかもしれません。しかし実際のところ、メディセレ薬局は所在地である都島区内代町の地域の皆様のかかりつけ薬局として多くの医療機関からの処方を受け付けています(2023年6月実績で120機関)。そして、その医療機関の中には、アライアンスに加盟している病院もあります。さまざまな事情で自宅から遠く離れた病院に通わなくてはならない地域の方々が、自宅近くのメディセレ薬局へと処方箋を持ち帰ってくださっています。その処方箋の中には、しばしば「形式的な疑義照会」が必要な場合があります。大きな病院では仕方のないことなのですが、疑義照会の連絡はとりまとめ部署が、受け取り・処方医に照会・処方医からの回答を薬局に送ってくださるため、どうしても時間がかかります。遠く離れた大きな病院で受診し、疲れて地元に帰ってきた患者さんをさらにお待たせしたり、お薬をお渡しするのが後日になったりしてしまう。そんな患者さんの負担を軽減するために、これらの病院と疑義照会簡素化プロトコルを結べないかと調べていた時に、今回参加したアライアンスに出会いました。このような試みが始まっていたことに驚き、感銘を受けて、すぐに参加を申し込みました。

 今後、大阪病診薬連携アライアンスがさらに発展し、メディセレ薬局のある都島区を巻き込んでいってくれることを期待しています。もちろん、期待するだけでなく、薬局として貢献したいと思っております。ここをご覧の薬局薬剤師の皆様、ぜひご参加をご検討ください。薬学生の皆様は、「大阪病診薬連携アライアンス」の存在を頭の片隅に残しておいていただき、薬剤師としての活躍が始まりましたら、ぜひ思い出していただいて、参加を検討してください。

メディセレ薬局 管理薬剤師

前のページに戻る
© MediCaree incorporated. All Rights Reserved.

PAGE TOP