皆さん、こんにちは!
今回は花粉症治療薬の中でも最新治療薬であるゾレア皮下注について取り上げたいと思います。
花粉症を発症した人の多くは、病院で処方された薬により症状が緩和します。
しかしながら、中には病院で処方された薬を服用しても花粉症の症状が緩和されず、日常生活に支障が出る人もいるのです。
このように薬を服用しても花粉症の症状が改善されない人は【重症】や【最重症】と診断され、より強い薬を処方されたり、手術を勧められたりすることもあります。
そこに2020年より、ゾレア(オマリズマブ)皮下注が加わりました。
ゾレア皮下注射とは、生物から産生されるたんぱく質などの物質を応用して作られた医薬品で、生物学的製剤とよばれます。
ゾレアは花粉によって産生されたIgE抗体と結合し、IgE抗体が肥満細胞と結合するのを防ぐ働きを持ちます。
ゾレアを投与すると、IgE抗体は肥満細胞と結合できなくなるため花粉が体内に侵入しても花粉を異物と認識できなくなるのです。
その結果、花粉症のつらい症状を抑えることができます。
通常は2週間又は4週間毎に皮下に注射をします。
保管は使用直前まで開封せず、冷所保存をしなければいけません。
1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度及び体重に基づき、投与換算表(添付文書参照)により設定されます。
このゾレア皮下注射が保険適用されたことにより、重症の花粉症に悩んでいる方に新たな治療の選択肢が増えました。
因みにゾレアは「季節性アレルギー性鼻炎」以外にも「気管支喘息」と「特発性の慢性蕁麻疹」にも適応があります。
ゾレア皮下注射は薬価が高額なので、薬の乱用を防ぐため、治療を受けられる患者は重症または最重症のスギ花粉症患者に限られることが多いです。
また、患者様への負担が大きくなる時は、自己負担額によって高額療養費制度が適用となるケースがあります。
患者さんの状況によって、自己負担限度額等が異なりますので、詳しくはソーシャルワーカー、健康保険加入先にお問い合わせいただくよう説明すると良いでしょう。
治療を受けるハードルが高いゾレア皮下注射ですが、まずはかかりつけの耳鼻咽喉科でご相談してからとなります。
今回は以上ですが、薬学生の皆様はゾレア皮下注についていかがお考えでしょうか?
是非参考にして下さい!
メディセレ薬局 管理薬剤師