皆さん、こんにちは!
今回は、寒い冬が近づいてきましたので「血圧」について取り上げたいと思います。
生活習慣病を抱える患者さんは大抵、診察時に血圧を測定し、そこで医師から「血圧○○/△△mmHg」「良いですね」「悪いですね」とお話があるかと思います。
ただ、血圧は「波」であり、一定ではなく常に変動しています。
そこで、できるだけ「家庭血圧の測定」を推奨しています。
なぜ、家庭血圧の測定が大切なのか?それは外来(病院)での血圧測定よりも得られる情報が多いことと、病院内で測る血圧測定のみでは見落とす異常があるからです。
例えば高血圧には、病院に来るとなぜか血圧が高くなってしまう「白衣高血圧」もあれば、病院で測定する血圧は正常なのに家に帰ると高血圧の状態になってしまう「仮面高血圧」もあります。
では血圧はいつ測れば良いのか?血圧は1日の中でも変化するので、毎日決まった時間に測定することが大切です。
基本は起床後と就寝前の2回です。
朝は起きて1時間以内、トイレを済ませ、食事や薬を飲む前に測り、夜は食事・飲酒・喫煙・入浴等2時間以上あけて、トイレを済ませて就寝前に測ります。
これにより「早朝高血圧」「夜間高血圧」など1日のうちで、いつの時間帯が特に高いのかを知ることができます。
こういった血圧変動は家庭血圧測定により簡単に発見できます。
そして、それらの状況を踏まえた薬の処方内容を考えるうえで非常に参考になります。
ここ数年、ご自宅で血圧測定をなさる方が非常に増えてきました。
まだご自宅で血圧測定をされていない方が居られた場合は積極的に勧めてみましょう。
次に、薬のことも簡単に紹介しておきます。
主な薬としましては、血管平滑筋へのCa²⁺流入を阻害することにより血管平滑筋を弛緩し末梢血管抵抗減少させる「Ca拮抗薬(アムロジピンなど)」、腎臓の機能単位であるネフロンの尿細管や集合管に作用し、体内のNaと水分の排泄(利尿)を促進し、体液量(血液量)を減らすことによって降圧される「利尿薬(トリクロルメチアジドなど)」、アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡへの変換を阻害して昇圧系を抑制するほか、カリクレイン-キニン系を刺激して降圧系を促進する作用を有する「アンジオテンシン変換酵素阻害薬(エナラプリルなど)」、アンジオテンシンⅡが作用する受容体(特にAT1受容体)を直接的に阻害して昇圧系を抑制する「アンジオテンシン受容体拮抗薬(アジルサルタンなど)」が第一選択となります。
これらを単独処方から開始し、効果が不十分な場合は、患者さんの血圧の状態を踏まえて、段階的に(多数存在する)他の薬と複数併用されるようになります。
最後に今回のまとめです。
血圧は、食事や運動、ストレス、気温の変化など様々な要因で変動します。
日頃から血圧を測定し記録することは、血圧の変化や平均値を知ることができ、病気の早期発見や合併症を抑える生活改善に役立ちます。
また治療を考える上で重要な資料にもなります。
血圧の薬を飲まれている方は薬の効果も確認できます。
できるだけ血圧測定を毎日続けることをお勧めします。
今回は以上となります。
薬学生や勤務薬剤師の皆様は、是非参考にして下さい!
ではまた次回!
メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志