皆さん、こんにちは!
皆さんは、「飲んではいけない薬」があると思いますか?
ある日のこと、実際に接する患者さんから言われた事です。
「週刊誌を読んだら、△△という薬はダメだって書いてありましたが、これ、私が飲んでいるやつですよね?」
またある日は「××という薬は危険って書いてあったので、しばらく飲むのをやめていました」とか。さらには「●●という薬は良くないので、先発品に変更してください」まで・・・
そのような場合にまずお伝えしているのは「雑誌の表現を真に受けて、自己判断で薬をやめることは非常に危険です!」ということです。週刊誌の内容が全て誤っているわけではありません。しかし、こうした雑誌で紹介されている多くのケースは、ポジティブな側面(効果など)をあまり取り上げず、稀にあるネガティブな側面(副作用など)を過剰に煽ります。
お薬には必ず「効果」と「副作用」があります。例えば、スタチン系では横紋筋融解症の副作用があります。ただ、副作用発現頻度は非常に低い上、仮に発現しても早期に対処さえすれば大きな問題にはなりません。スタチンには2次予防の有効性はしっかり示されていますし、1次予防でも、喫煙者、高血圧症、肥満、糖尿病など生活習慣病オンパレードの人には特に、内服の価値があるのです。それにも拘わらず、1割以上の方が自己判断で減薬や中止を行ってしまっているようです。
確かに「ポリファーマシー」の問題もあり、薬剤師は減薬に取り組まなければなりません。ただし、それはあくまで個々の患者さんにフィットしたより良い処方を考える事であり、必要な薬を飲まなくてよいという事ではありません。
今飲んでいる薬を急に中止している患者さんがいましたら、まずは患者さんから理由を確認しましょう。そこから患者さんの不安を解消し服薬アドヒアランスが向上するように適切な服薬指導をできるようにしましょう!
メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志