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社長 児島惠美子のしゃっちょうは行く!

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2019.07.24 UP
vol.07

カンボジア2

ソース・ダイ!メディセレのしゃっちょう、児島です。

「ソース・ダイ」はカンボジア語で「やぁ、こんにちは」と少しくだけた挨拶です。今回のコラムは前回に引き続き「カンボジア医療活動」です。カンボジアは近年急激に発展を遂げています。しかし、プノンペン郊外には車で2時間ほど行くと医師のいないコミューンがまだ点在しています。無医コミューンの一つスラッカエルとプノンペンからほど近いチャンプ−ワンで医療活動を行いました。スラッカエルでは感染症や寄生虫が多く認められました。一方、チャンプーワンでは感染症、寄生虫は少ないのですが、虫歯がとても多いのです。小学校4年生で永久歯を失っています。肥満児もいました。理由はなんと、小学校の校舎の裏にマーケットがあり、そこでお菓子を売っているのです。縁日でみられるような出店です。そして、勉強中もキャンディーを口に含んだまま勉強します。日本であれば、小学校でお菓子を食べていればすぐに先生が叱りますが、カンボジアの先生達はそれに対して無関心です。何故か?この出店のようなマーケット、経営者は学校の先生の家族や親戚。日本人であり、教育者の私には大きなカルチャーショックでした。歯科の先生方は「ここを撤去だ!」と大騒ぎでした。これではいくら虫歯の治療をしたところで、すぐにまた虫歯になってしまいます。常に甘い物を口に含んでいると口腔内のpHが低下したままになり、虫歯ができやすくなります。更に歯磨きの習慣がないので、虫歯はどんどん進行していきます。このままでは、この子達が大人になったときには固い物を噛めなくなっているでしょう。医科は、歯科と比較すると昨年とは異なり、子供達の健康状態は向上していました。

衛生状態が向上し、物質的に豊になっても次々に問題が生じます。急成長の国を支えるためには教育がなによりも必要だと痛切に思いました。子供達の健康を守るためには親の教育、学校教育、医療者による教育が重要です。カンボジアには健診という習慣がありません。今回はご両親や先生方にも、カンボジアの経済人、医療人を巻き込み衛生指導を実施してきました。カンボジアのテレビ局も取材に来てくれましたので、団長として子供達の現状と予防の重要性を訴え、教育省大臣に公式訪問し大臣にも訴えてきました。少しでも声が届き、来年は虫歯が減っていることを願っています。では、チュムリアップ・リア(さようなら)!

チュムリアップ・リア(さようなら)。

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