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これから販売されるOTC医薬品

 皆さん、こんにちは。2024年12月20日、厚生労働省の薬事審議会において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を含む複数の医薬品がOTC(一般用医薬品)化されることが承認されました。これにより、患者は医療機関を受診せずに薬局で手軽に購入できるようになります。OTC化が決定された主な医薬品は以下の通りです。

■オメプラゾール(販売名:オメプラール®)、ランソプラゾール(販売名:タケプロン®)、ラベプラゾール(販売名:パリエット®)
胃酸の分泌を抑えるPPIで、逆流性食道炎や胃潰瘍の治療に使用されます。PPIのOTC化は、患者が医療機関に行かずとも薬局で購入できるようにすることで、手軽に胃酸過多による症状の緩和を図ることを目的としています。
 PPIのOTC化に関する議論は2018年から始まりました。当初は長期使用による副作用のリスクや、インターネット販売による短期使用の担保が難しいことが懸念され、OTC化は否決されていました。しかし、2021年に検討会の開催要綱が見直され、OTC化に向けた課題整理と解決策の検討が行われることになりました。2022年と2023年には、エソメプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウムの再検討が行われ、最終的に2024年にOTC化が承認されるに至りました。このように、OTC化までの議論に時間がかかったPPIではありますが、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダをはじめとする海外ではすでにOTCとしての販売されている医薬品でもあります。

■ジメトチアジン(販売名ミグリステン®)
片頭痛や緊張性頭痛の治療に使用される医薬品で、片頭痛の発作を予防するために用いられます。過去に医師の診断・治療を受けた人にのみ販売が認められます。
 片頭痛や緊張型頭痛は、特に働き盛りの世代に多く見られる症状であり、医療機関を受診することが難しい患者が多いことが指摘され、薬局で購入できる選択肢が求められていました。ジメトチアジンは、過去の臨床試験において有効性と安全性が確認されており、薬剤乱用頭痛(MOH)のリスクが低いことも評価されていたことから、OTC化に向けた信頼性が高まりました。

■ラメルテオン(販売名:ロゼレム®)
睡眠障害のうち寝つきが悪い症状の緩和に用いられる薬剤で、OTC化により、より多くの患者がアクセスできるようになります。
 現代社会において、ストレスや生活習慣の変化により、睡眠障害を抱える人が増加しています。特に、入眠困難を訴える患者が多く、症状が軽いうちに治療薬を入手できることが求められています。ラメルテオンは、過去の臨床試験において有効性と安全性が確認されており、依存性や乱用のリスクが低いことが評価されたポイントの一つです。

 OTC化の利点としては、以下の点が挙げられます。アクセスの向上: 患者が医療機関に行かずとも、薬局で手軽に購入できるようになることで、簡便に症状の緩和が期待されます。また、患者が自分の症状を管理しやすくなり、医療資源の効率的な利用が可能になります。一方で、懸念される点もあります。医薬品の長期使用は、様々な副作用のリスクが高まります。例えばPPIでは、腎障害や骨折リスク、感染症のリスクを高める可能性があるため、適切な使用が求められます。また、患者の誤った判断により、効果が期待できない症状においても使用されてしまう場合もあります。

 医療用医薬品のOTC化は、患者の利便性を高める一方で、適正使用のための教育や情報提供が重要です。薬剤師は、患者が安全に使用できるように指導する役割を担います。患者に対して短期使用の指導を徹底し、必要に応じて医療機関への受診を促すことが求められます。特に、長期服用に伴う潜在的な副作用リスクを理解し、患者とのコミュニケーションを通じて適切な使用を促すことが重要です。
 医療用医薬品のOTC化は、医療の現場に新たな変化をもたらす可能性があります。薬剤師は今後ますます、副作用や相互作用についての知識を深め、患者の安全を確保するための取り組みが求められます。

メディセレ薬局 管理薬剤師

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