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メディセレ薬局 現場からの声

認知症について

皆さん、こんにちは!
今回は認知症について処方薬を中心に取り上げたいと思います。

残念ながら、現代の医学では認知症に対する根本的な治療薬はまだ開発されていません。
ですので、認知症によって生じる各種症状に対して、対症療法が中心となります。
抗認知症薬については、日本では主に4つの薬が使われています。
いずれも認知症の度合いや現れる症状などによって、医師の診断のもと処方されます。

1つ目がドネペジル(先発アリセプト)です。
これは、アルツハイマー型認知症の初期から中期にかけて進行を遅らせることができるといわれており、認知症症状の1つである記憶障害を緩和する効果も期待されています。
「アセチルコリン」という神経伝達物質の減少を防ぐ作用(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)があり、アルツハイマー型のみならず、レビー小体型認知症にも効果が期待されています。
服用回数は1日1回、「錠剤」「OD錠」「細粒」「ドライシロップ」「内服ゼリー」「ODフィルム」「内用液」と、様々な剤形で発売されており選択肢が多いのも利点です。

2つ目がガランタミン(先発レミニール)です。
こちらもアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で軽度および中程度のアルツハイマー型認知症に適応されます。
剤形は「錠剤」「OD錠」「内用液」が発売されています。
ドネペジルとの違いでいえば、ニコチン性アセチルコリン受容体に作用しアセチルコリン結合時の作用を増強させる点と、服用回数が1日2回である点です。

3つ目がリバスチグミン(先発イクセロンパッチとリバスタッチパッチ)です。
こちらもアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で軽度および中程度のアルツハイマー型認知症に適応されます。
剤形がパッチというように「貼り薬」のため、飲み込みがうまくできない患者さんにも使用できます。
使用回数は1日1回です。
ドネペジルとの違いでいえば、アセチルコリンだけでなく、ブチリルコリンエステラーゼ阻害作用もある点が挙げられます。

4つ目がメマンチン(先発メマリー)です。
こちらはこれまでの3つとはタイプが異なり、これまでの3つと併用するか、単独でも処方されます。
認知症患者さんでは、グルタミン酸によって脳内で神経に情報を伝えるNMDA受容体が過剰に活性化され、神経細胞や記憶に障害が現れるということも少なくありません。
メマンチンは神経細胞の興奮死を防ぐためにグルタミン酸の働きを抑える効能を持つ薬です。
こちらは主に中度以上のアルツハイマー型認知症の方に処方されます。

4種類の治療薬を挙げましたが、症状の進行度やBPSD(いわゆる周辺症状)に応じて使い分ける必要があります。
例えば、無気力や無反応、意欲減退がみられる場合は「ドネペジル」、不安や妄想があり、理性の低下、攻撃性などの情緒不安定がみられる場合は「ガランタミン」、日常生活における機能の低下がみられ薬を飲み忘れてしまう方の場合は貼り薬の「リバスチグミン」、夜間の異常行動などの興奮症状がみられる場合は「メマンチン」が選択されるケースが見られます。

今回は以上ですが、薬学生の皆様は認知症治療薬についていかがお考えでしょうか?
是非参考にして下さい!

メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志

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