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メディセレ薬局 現場からの声

パーキンソン病の治療薬について

皆さん、こんにちは!
今回はパーキンソン病の治療薬についてお話したいと思います。
パーキンソン病とは、脳の幹にあたる黒質という部分の神経細胞が次第に減少し、その神経が働く時に使うドパミンという物質が減ることによって起こる病気です。
ドパミンは、脳において運動の仕組みを調節するような働きを担っているため、ドパミンが減ることにより動きが遅くなったり、体の緊張が高くなったりします。
一部のパーキンソン病は遺伝子が原因で発症することがわかっていますが、多くは原因不明で、遺伝することはありません。
50~65歳に発症することが多く、患者さんは年をとるにしたがい増える傾向にあります。
残念ながら、パーキンソン病を完全に治す治療法はまだありませんが、お薬により症状が改善されます。
お薬でうまく治療していけば、今までと同様の生活をおくっていただくことが可能です。

 パーキンソン病にはさまざまなお薬があります。
それぞれに特徴があり、患者さんの症状や年齢、活動度に応じ、医師が薬の種類や服薬量の組み合わせを考えて処方します。
パーキンソン病は、脳内のドパミンが不足して起こるため、それを補うL-ドパ製剤(多数発売、配合剤を含みます)やドパミンの代わりに作用するドパミンアゴニスト(商品名:パーロデル、ペルマックス、カバサール、ビ・シフロール、レキップなど)が治療薬の中心となります。
ただ、パーキンソン病の初期はお薬でうまく治療できますが、進行するにつれて薬が効かない時間が出てきたり(ウェアリング・オフ現象といいます)、薬が効きすぎて意思に反して手足が勝手に動いたり(ジスキネジアといいます)といった運動合併症が出てきます。
そういった際にはL-ドパ、ドパミンアゴニストというパーキンソン病初期からの基本の治療に加えて、主に、COMT阻害薬(商品名:コムタン、オンジェンティスなど)、MAO-B阻害薬(商品名:エフピーOD、アジレクトなど)、ドパミン増加作用薬ゾニサミド(商品名:トレリーフOD)、アデノシンA2A受容体拮抗薬イストラデフィリン(商品名:ノウリアスト)が用いられます。
COMT阻害薬、MAO-B阻害薬はL-ドパの作用を長続きさせる効果があり、アデノシンA2A受容体拮抗薬はL-ドパとは異なる作用機序を有します。
それ以外の薬として、ノルアドレナリン補充薬ドロキシドパ(商品名:ドプス。
パーキンソン病ではドパミンだけでなくノルアドレナリンも減少するため)、ドパミン遊離促進薬アマンタジン(商品名:シンメトレル)、抗コリン薬トリヘキシフェニジルなど(商品名はアーテンなど。
ドパミンの減少で相対的に作用が強まってしまったアセルチルコリンの働きを抑えるため)、といった治療薬も用いられています。
また、経口薬だけではなく、貼付剤であるロチゴチン(商品名:ニュープロパッチ)や皮下注であるアポモルヒネ(商品名:アポカイン)という外用薬(いずれもドパミンアゴニスト)も用いられています。
現在は治療選択肢がとても多くなっており、パーキンソン病患者さんが少しでもQOLを保てるように進歩しています。
今回は以上ですが、薬学生の皆様はパーキンソン病の治療薬についていかがお考えでしょうか?
是非参考にして下さい!

メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志

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