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メディセレ薬局 現場からの声

新型コロナウイルスワクチンの希釈・充填について

皆さん、こんにちは!新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、体調はいかがでしょうか?
以前の当コラムでも新型コロナウイルスワクチンの事を中心に取り上げましたが、今回はワクチン(その中でファイザー製薬のコミナティ筋注について)の希釈・充填方法やポイントについて取り上げたいと思います。

まずは作業台を消毒用エタノールで消毒します。
同様にバット類(各々器具を入れるトレイ)の消毒も行います。
準備するものとして「コミナティ1バイアル(あらかじめ室温にしたもの)」「希釈用生理食塩水1アンプル」「アルコール綿」「希釈用シリンジ1筒」「希釈用針1本」「接種用シリンジ(1.0ml)5筒もしくは6筒」「接種用針(25G、25mm)5本もしくは6本」となり、行政職員と数の確認を終えたら1つのトレイに各々セットします(ただしワクチンは丁寧に扱う必要があるため作業する都度専用のBOXから取り出した方が良い)。
そして希釈・充填作業開始です。
作業前には手指消毒、バイアルやプラスチックアンプルを扱う際にはその都度アルコール綿で清拭することを徹底しましょう。

まず希釈。
①シリンジに注射針を接続、
②ワクチンに変色や異物がないことを確認しゆっくりと10回転倒混和(酸化・泡立ち防止の為、振り混ぜない事!)、
③シリンジに生食を1.8ml計量(計量前に生食のプラスチックアンプルはアルコール綿で清拭、計量したら他の薬剤師とダブルチェック)、
④ワクチンバイアルに生食1.8mlを注入(バイアルのゴム栓をアルコール綿で清拭しバイアルのゴム栓中央に注射針を刺す:コアリング注意、注射針をバイアル側面に沿わし生食をゆっくり入れる、入れたら1.8mlの空気を吸ってから抜針)、
⑤バイアルを再度10回転倒混和(これも振り混ぜない事と異物がないか要確認)、以上が希釈となります。

次に充填。
①シリンジに注射針を接続(シリンジ・注射針は1本ずつ開封する、しっかり接続する)、
②シリンジに0.3mlの空気を吸ってからバイアル中央の外側より穿刺(これも穿刺前にバイアルのゴム栓をアルコール綿で清拭、コアリング防止の為に穿刺場所は毎回変更)、
③穿刺したらバイアルの空気層にゆっくりシリンジ内の0.3mlの空気を入れる(液面に触れず泡立ち防止に努める)、
④薬液を0.3mlゆっくり吸う(一気に薬液0.3ml吸うと空気が入った際に修正できない、コロナRNAワクチンは壊れやすいのでシリンジをはじかない、シリンジ内に空気が入った際は「空気層で空気を出し薬液を吸う」を数回繰り返す)、
⑤0.3mlを正確に計量し抜針(液中に異物や変色がないことを確認)、
②~⑤を繰り返す、
⑥充填したシリンジ5~6本と空のワクチンバイアルをバット(トレイ)に並べてシリンジをペーパータオルで覆い遮光する(ワクチンは光に弱い為)、
最後にダブルチェックをしたり専用シールを付けたりしたら終了です。

あとは医師や看護師が被接種者に打つだけ!
このように世界的なパンデミックに薬剤師が関わり、貢献できることは非常に光栄な事だと思います。
薬学生の皆様や医療従事者の皆様はいかがお考えでしょうか?参考にして下さい!

メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志

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