皆さん、こんにちは!今回は最新のスイッチOTC化について話をしたいと思います。
この度、厚生労働省は、厚労省2021年3月3日の薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会で、消化管運動賦活薬の「イラクナ」(成分名イトプリド塩酸塩)、頻尿改善薬の「バップフォーレディ」「ユリレス」(プロピベリン塩酸塩)、鼻炎用点鼻薬の「ナシビンメディ」(オキシメタゾリン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩)を要指導医薬品として承認することを了承しました。
それから、厚生労働省は2021年3月5日、薬品医療機器等法(薬機法)に基づき、イトプリド塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩、プロピベリン塩酸塩を有効成分として含有する製剤を要指導医薬品とする改正について、パブリックコメントの募集を開始しました(パブコメの締め切りは2021年4月3日とのこと)。
小林製薬のイラクナは、イトプリド塩酸塩を含有するガナトン錠50mgをスイッチで、大鵬薬品工業のバップフォーレディとユリレスはプロピベリン塩酸塩を含有するバップフォー錠10mgのスイッチとなります。
佐藤製薬のナシビンメディは、オキシメタゾリン塩酸塩とクロルフェニラミンマレイン酸塩の配合剤で、オキシメタゾリンを含有する一般用医薬品は2011年に、ナシビンMスプレーがスイッチOTCとして承認されていますが、2成分を含有する配合剤はこれまで一般用医薬品として承認されていませんでした。
私が特に気になったのはガナトンとバップフォーのOTCです。
ガナトンもバップフォーも長年、処方箋薬として愛用されていましたので、満を持してのスイッチ化だと思います。
ただし、それぞれコリン作用と抗コリン作用による副作用には十分に注意する必要があります。
例えば、イトプリドのコリン作用ではプロラクチン上昇があるかもしれません。
プロピベリンの抗コリン作用では口渇や便秘、せん妄といった副作用が出るかもしれません。
これらはまず、要指導医薬品として発売されます。
そこで薬剤師の出番ですよね。
近年は、薬剤師による積極的なセルフメディケーションへの取り組みが期待されています。
外来の対物業務をやっているだけでは、「おなかの調子が・・・」「便秘が・・・」「頻尿が・・・」などと相談されても、いかんともし難いかもしれません。
しかし、薬についての基礎知識を持つ薬剤師が、外来・在宅で患者の症状を聞いて考えて薬を出して、どうなるかを見るというサイクルを経験できれば、セルフメディケーションに取り組めるようになるはずで、イトプリドやプロピベリンのような一部怖そうな副作用がある薬のOTC化でも適切な服薬指導や服薬フォローアップを行うことができると思います。
「セルフメディケーション・スイッチOTC薬への取り組み」で、専門性と個性を高めて、患者さんが集まってくる薬剤師を目指しませんか? 是非、参考にしてください。
メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志
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