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メディセレ薬局 現場からの声

気管支ぜんそくと咳喘息の違い、吸入薬について

今回は気管支喘息と咳喘息及びそれらに使用する吸入薬についてお話したいと思います。
一般的に喘息と言えば、気管支喘息のことを指しています。

気管支喘息では咳だけではなく、聴診器で聞けるヒューヒュー・ゼイゼイという喘鳴(ぜんめい)、動けないほどの息苦しさ、痰などの症状を伴い、ときに呼吸困難におちいるほどの喘息発作が見られることもあります。

咳喘息は、喘息の一歩手前と考えられている病気です。
この2つは全く別の病気というわけではなく、咳喘息も喘息の一種です。
症状が咳だけにとどまっているものの、喘息と変わらない傾向を持っているのです。
咳喘息を治療せず放置していると、約3割が気管支喘息へ進行すると報告されています。
ですから咳喘息は、適切な治療や日常生活での健康管理が大切な病気です。
咳が治ってしまうと治療を続けるモチベーションがなくなってしまうのは無理もないのですが、繰り返す方は症状が落ちついているときにも治療継続が必要な病気です。
治療ですが、咳喘息の咳に対しては、市販の風邪薬や咳止めはほとんど効果を示さず、気管支拡張剤という狭くなった気道を広げるお薬が有効です。
気管支拡張剤は、医療機関で医師の処方箋が必要になるお薬です。
内服やテープ剤、吸入薬などがありますが、今回は吸入薬を取り上げたいと思います。
吸入薬には「気管支拡張薬」と「抗炎症(ステロイド)薬」がありその両者を配合した配合剤が主流になっています。
COPDと喘息の状態によっては「抗コリン薬」も有効で最近では上記3種配合剤も発売されています。
デバイスには大きく「定量噴霧式吸入器:pMDI(エアゾール等)」と「ドライパウダー吸入器:DPI」の2つがあり、使用法や注意事項にそれぞれ違いがあります。
簡単に説明しますと前者はボンベの底を押して出るエアーを吸い込む方式で、後者は中に充填されている薬を吸入口に加えて自らの力で吸い込む方式です。
患者さんへの吸入指導は非常に重要です。
指導せんをお渡しするだけでは十分な確認をせず誤った使用法をする事で効果が出なかったり副作用発現の要因になったりしてしまいます。
あと初回の指導はもちろん重要ですが、定期的な確認も重要です。
慣れてくると患者さんの自己流になって本来の正しい使用法から離れていく事が多々あるからです。
吸入薬の指導は薬剤師の重要な業務のひとつだと言えます。
薬剤師の皆さんはどの吸入薬が処方されても患者さんに適切なアドバイスを行えるよう準備しておきましょう!

メディセレ薬局 管理薬剤師 密原 将志

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