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2019.02.25 UP
CASE25

ロカルトロールカプセルの棚にエビスタ錠が混在して誤調剤

  • 処方チェック
  • 一般調剤
  • 服薬指導
  • その他

Incident何が起こったか?

ロカルトロールカプセル 0.25μg を 56 カプセル調剤しなければならないところ、誤ってエビスタ錠 60 mg の 40 錠が混ざっていた。

Prescription処方内容は?

<処方1> 60 歳代の女性。病院の内科。オーダ/印字出力。

ロカルトロールカプセル
0.25μg
2Cap 1 日 1 回 朝食後 28 日分

図1.「ロカルトロールカプセル 0.25μg」の PTP シート(左)と黄白色軟カプセル剤(右、長径:約 9.6 mm 短径:約 6.7 mm)。

(中外製薬株式会社のウェブサイトより)

図2.「エビスタ錠 60 mg」の PTP シート(左)と白色楕円形フィルムコート錠(右、長径:約 12.1 mm 短径:約 6.6 mm 厚さ:約4.3 mm)。

(日本イーライリリー株式会社のウェブサイトより)

<効能効果>
●ロカルトロールカプセル 0.25μg(カルシトリオール)
 ○骨粗鬆症
 ○下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状
  (低カルシウム血症、しびれ、テタニー、知覚異常、筋力低下、骨痛、骨病変等)の改善
  慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、クル病・骨軟化症 ●エビスタ錠 60mg
 (ラロキシフェン塩酸塩)
 閉経後骨粗鬆症

Historyどのような経緯で起こったか?

調剤した薬剤師は、ロカルトロールカプセル 0.25μg の棚から 56 カプセル分(10 カプセルの PTP シートを 5 枚と 6 カプセル)を集薬したつもりであった。調剤後に自己鑑査を行ない、調剤薬鑑査者へ渡した。
鑑査した薬剤師が、ロカルトロールカプセル 0.25 μg が 16 カプセル(10 カプセルの PTP シートが 1 枚と 6 カプセル)とエビスタ錠 60 mg が 40 錠(10 錠の PTP シート 4 枚)調剤されていることに気づいた。鑑査者が調剤者に知らせ、正しく調剤し直した。

Worst scenario最悪の事態

間違って交付したエビスタ錠の副作用(重大な副作用として、肝機能障害、静脈血栓塞栓症など)が惹起する。

Assessment問題点の解析は? 何が問題か?

この薬局では、調剤棚においてロカルトロールカプセル 0.25μg<製造販売:中外製薬、発売:杏林製薬>とエビスタ錠 60 mg<製造販売:日本イーライリリー>は離れた場所にある。両剤は、剤形は錠剤とカプセル剤で異なるが、ともに楕円形である点は共通している。更に、PTP シートのデザインや印字の色などは異なるが、台紙の色(銀色)などの類似している部分もある。また、骨粗鬆症によく用いられる薬剤である。このため、棚への充填間違い(又は戻し間違い)が惹起したものと考えられる。

Plan問題点回避の計画は? 確認ポイントは?

デザインが似ている薬剤は、間違った棚に入っていたとしても気がつきにくい。正しい棚から取った薬剤でも、別の薬剤が混ざっている場合もあるということを念頭に置き、注意する必要がある。
薬剤の戻し間違いを防ぐため、一度棚から取り出した薬剤は、できる限り2人組で確認しながら棚に戻すなどの対策をとる。即ち、間違って一度取り出した医薬品は「薬品戻しボックス」を作ってまとめておき、調剤中ではなく業務終了後に複数薬剤師が十分確認しながら戻すなど、薬局ごとに決まりを作って徹底する。
医薬品を調剤棚へ充填する時に、医薬品の個装箱の GS1 データバーと薬品棚のバーコードを読み取ることによって照合チェックする(調剤過誤防止システム)。

Watchword標語は?

・一度棚から取り出した薬剤を戻す時は、一旦「薬品戻しボックス」に戻してから、業務終了後に複数薬剤師で実施!
・薬品を調剤棚へ充填する時には個装箱データバーと薬品棚のバーコードを照合!

Special instruction特記事項は?

GS1 データバー(GS1 コード)とは
PTP シートの裏面などに表示されているバーコードのこと。医療事故防止などのために、医薬品への表示が義務づけられている。例えば、処方情報が入力された端末で、調剤した医薬品のバーコードを読み取ることで、別物調剤を防止できる。

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